純愛

まったくその頃の恋愛ほど、無条件で純粋なものは、
ついにその後日本に帰って来てからはなかった。

純愛とは男女関係につきものの瑣末な時代をのりこえた全く無条件の愛の姿だ。
愛と言いながらほとんどの場合、相手の好意に期待するとか、
それによる孤独からの脱出、あるいは生活上の便利さなど、
いろいろな条件の枠を前提にしている。
だが、純愛とは、そんな諸条件を抜きにした。生きがいなのだ。
好きになった男と女が、
無条件に、自然に、そのままの姿で合体する。それが純愛である

出典:自分の中に毒を持て

著者:岡本太郎