草ぼうぼうになって、愚鈍となる

料理人に就職した子が、今日食堂にきていた。

 

入社2年目。

最近どんなことをやっているのか、
話を聞いてみると、

その子は、魚を扱う技術を身につけたいのに、
そこのお店は、魚を切り身で仕入れていて、
捌くところからできないのが、不満だったそう。

だから最近、

魚市場に直談判して、
お金はいらないから働かせてほしいと頼んで、

いま、(職場に言わず)魚市場で修行させてもらってるそうです。

 

その話を聞いて、素直に、

かっこええなぁ。と思いました。

 

最近、安冨歩 著の「超訳論語」を読んでいるのですが、

その中で、「学ばなければいけない」という一節があります。

仁でありたいと思っていながら、よく学ばなければ、
素質が伸びずに、草ぼうぼうになって、愚鈍となる。

知を求めながら、よく学ばなければ、
素質が伸びずに、草ぼうぼうになって、知ったかぶりになる。

言葉と心とを一致させようとしながら、よく学ばなければ、
素質が伸びずに、草ぼうぼうになって、裏切り者になってしまう。

 

「草ぼうぼうになって」という句を、口ずさむたびに、
クセになって、個人的に好きなこの章なのですが、

今日、料理人の子の話を聞いて、

この子は、

「料理人としての腕を磨きたい!!」

という思いを、

自分の職場が思うような環境でないから、
と言い訳にせず、

(心を草ぼうぼうにすることなく、)
自分で、素質を伸ばす道を進んでいるんだな、と思いました。